MLMはなぜ誕生したのか?

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 このMLMというビジネスは、いつ頃、どんなふうに誕生したのでしょうか?

 それは1936年、アメリカのカリフォルニア州に本拠を置く、カリフォルニアビタミン社が歴史上初めて、MLMを自社の販売に利用したのが発端です。

 カリフォルニアビタミン社は、自社製品を愛用してくれる消費者を販売員として採用し、その販売員に新たな販売員を募集する権利を与えました。そして商品の販売手数料のほかに、自ら獲得した販売員の売上に対しても販売手数料を支払うというシステムをつくったのです。

 この独自の販売方法は大当たり、同社をマネして、同じ販売方法を行う会社がいくつも出て来ました。

 カリフォルニアビタミン社は、カール・レンボーグ博士が設立した会社です。

 1915年、中国に乳製品メーカーの営業担当として赴任した彼は、上流階級を中心に脚気が流行っている現実を目の当たりにします。現地の人々の食生活に注目した彼は、玄米を精白するときに出る皮などの粉末に含まれているビタミンB郡のようなものを上流階級に食べさせたところ、なんと治ってしまいました。

 カール・レンボーグ博士はカリフォルニアに戻って、無農薬農場をつくりました。そして世界で初めて、無農薬でつくった野菜を乾燥させて粉にして固めたサプリメントをつくりました。

 ところが、当時、一般の人々にはサプリメントという商品に対する知識が全くなかったため、彼は、口コミで商品を広めることにしました。今のMLMの原型を、そのレンボーグ博士がつくったわけです。

 
 そこでめきめきと頭角を現した2人の青年がいました。

 1人はリッチ・デヴォス、もう1人は、ジェイ・ヴァンアンデル。彼らは2人でニュートリライト社(カリフォルニアビタミン社の後身)製品の大半を世界中で流通させていましたが、この会社は組織が大変に脆弱でした。そこで、「この組織にいても限界がる」と考え、自分たちの組織をベースにして、「アムウェイ」という会社を立ち上げたのです。

 彼らは、特殊なサプリメントではなく、洗剤であれば誰でも販売できると考えて、洗剤をベースとしたビジネスを展開、ボロボロのガソリンスタンドで液体洗剤をボトルに詰め、自分たちのピックアップトラックで全米に点在する数少ない代理店に洗剤の入ったドラム缶を配達しては、友人や家族に笑われていた。これは、彼らがアムウェイを創設して間もない頃の話です。しかし、その後、彼らは大成功を収めました。その後、やはりサプリメントは見過ごせないと考えた彼らは、ニュートリライト社を逆に子会社として吸収し、現在に至るのです。
 
 このように発展してきたMLMのようなネットワークビジネスがアメリカ連坊取引委員会で公的に認められて以降、事業者数は急拡大を遂げ、1980年代になんと約2000社になりました。