MLM(マルチ・レベル・マーケティング)とは?

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 ではここで、MLMについて、簡単な事例を使って説明しましょう。

 Aというレストランがあるとします。そのレストランをあなたが姉夫婦に紹介したところ、姉は早速予約をし、夫と一緒にディナーに行きました。

 会計のときに、この店をどうやって知ったのかとオーナーに聞かれた彼女は、あなたから紹介されたことを告げます。それを聞いたオーナーは、店を推薦してくれたお礼として、あなたに感謝の手紙と食事の無料招待券を送ってきました。

 さらにレストランのオーナーは、あなたに次のように提案してきます。

 「今後、あなたの紹介でお客さんが来て、5000円以上食事をしてくれたら、あなたに食事代の10パーセントのクオカードをお渡しします」

 
 店の対応に喜んだあなたは、他の友人にもAレストランを薦めます。その結果、友人が行って、5000円以上の食事をするたびに、あなたには、クオカードが手に入ることになりました。

 数年たった頃には、あなたが紹介した顧客は何十人にもなり、彼ら・彼女らによって毎月、数十万円の不労所得があなたの手元に入ってくるように……。

 
 これを、自分が口コミをして報酬を得る方法、SLM(シングル・レベル・マーケティング)といいます。そんなあなたの噂を聞きつけて、お姉さんが「自分も口コミでAレストランを紹介したい」と言ってきたとします。

 オーナーに提案したところ、同じように5000円以上の食事をしてくれたら、報酬を渡すことに同意してくれそうです。

 しかし、これが無限に続くとシステムが破たんします。そこで、収入が取れる範囲を「何レベル」というように制限したり、平等性を保つためパーセントを変えたりして、いつから始めても努力次第で収入が取れるように多層化(システム化)することにしました。

 これがMLM(マルチ・レベル・マーケティング)です。

 実はこのビジネスモデルの爆発的な普及には、それなりの時代背景があります。大量生産、大量消費の時代が終わり、消費者の価値観の多様化によって、十把一からげのCM効果が薄れてきました。

 そこで近年、そうしたマスメディアを介した流通から、ダイレクトセリングという方法が脚光を浴びています。

 その中で特に成果を出してきたのが、MLMです。人間関係をベースに口コミ効果によって商品を広告宣伝していくことを考えたのです。これなら広告効果も増し、元手がかからない分、効率的にビジネスを展開することができます。口コミによる宣伝を担う人々を、ディストリビューター(流通・広める人/MLMの会員)といいます。

 こうした背景で急成長したMLMの流通形態は、通常の商品流通形態とかなり異なっています。

 一般的な小売流通業では、商品はメーカー⇒代理店⇒問屋⇒小売店というルートを経て、やっと消費者に届きます。

 いわゆる小売価格とは、問屋や小売店の利益が載せされた価格のことをいいます。現在、一般的に商品価格の約50パーセント以上は、CMや代理店・問屋のマージンなどとなっています。それに対してMLMのようなネットワークビジネスは、別名ダイレクトセリングといって、商品がメーカーから直接、ディストリビューターに届くしくみになっています。

 ディストリビューターの仕事は、商品を会社から仕入れて小売をすることにより、販売を紹介・育成することに重きが置かれています。

 からMLMで収入を取るには、組織を養成したり、商品の流通網を構築したりしなければなりません。

 会社はこのディストリビューターの活動によって上がった売上から流通経費にあたる部分を貯めておいて、報酬として支払います。

 この報酬制度は、企業によって名称もしくみも多様化されています。多くの場合、報酬額は製品の販売額によって算出されますが、ディストリビューターは、自分自身の消費・販売額だけではなく、自分がリクルートしたディストリビューターから始まる下位全員の消費・販売額が実績に加味されるしくみになっています。

 だから上位のディストリビューターは、自分の下位のディストリビューターをリクルートし、親身になってダウンラインの実績・収入を上げようとします。こうしたしくみからMLMは急速に拡大していきました。