会ったら何を話す?

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 アポイントを取ったら、次は「実際に伝える作業」です。この場面で、初心者の方にまず注意してもらいたいことがあります。見込みがありそうな人をセミナーに連れて行き、セミナーが終わった後で、相手に恐るおそる「どうだった?」と聞くのだけはやめてほしいのです。

 講師は、場を盛り上げています。その話を聞いた人たちは全員サインするだろうという盛り上げ方をしています。それなのに「どうだった?」と聞くのは、せっかく燃え上がった炎に水をかけるようなもの。

 そう聞けばたいちえ「わかりやすかった」「話が上手ね」とか、よくても「あの商品、使ってみようかな」などという答えが返ってきます。遠回しに「商品は一応認めるけど、私はビジネスとしてはとらえてない」と言っているようなものです。要するに人ごとなのです。

 しかし、言葉1つで、相手の反応は変わってきます。背中をポンと一押ししてほしいのです。「やっぱりすごいよね。私はこれ、真剣にやるよ!◯◯さんも一緒にやろう」と言えばいいのです。

 あなたは高い基準でないとダメなのです。相手がどんなテンションだろうと、相手が基準の高いあなたに合わさざるを得ないようにするのです。あなたのテンションを上げろといっているのではなく、静かでいいから、基準を高くもちなさいということです。

 ここであなたは相手の反応が不安なうえに、頭の中だけ情報満杯の状態なので、不安を打ち消すためにも、一方的にしゃべりまくる人がいます。けれどいくらあなたが情報のシャワーを浴びせても、相手は「ここでやるとでも言おうものなら、この先どうなるんだろう」と不安になるだけです。

 あまりに多くの情報を伝えようとすると、あなたみたいにはとてもできない、ということになってしまいかねません。

 人間が決断するときの選択肢は、少なければ少ないほどいいのです。いろいろな情報を与えれば与えるほど、人はむずかしいと感じるし、混乱してしまいます。「あなたが何を伝えたいか」ではなく、「相手に何が伝わっているか」を考えてみましょう。相手に伝えなければならないのは、たった1つ。「一緒にやろう」だけです。

 このとき、私が実際に必ずやることがあります。というより、先にこれをやって具体的なビジネスの話をするケースがほとんどです。それは、「価値観を合わせ」といって、一瞬にして相手と自分との関係を伝え、自分の決断を示す方法です。

 むずかしいことではありません。要は、

①今、自分はこのタイトル、あるいは収入をいつまでに獲得したいと狙っている。
②そのためにこんな条件の(具体的に)一緒に収入を取る仲間が必要だ
③あなたにその1人になってほしいけど、あなたも収入が増えたらうれしいよね?
④僕もうれしいから一緒に組もう

 これを図に書いて伝えるだけです。

 たったこれだけ?と思うでしょ?でも本当に、これで伝わるのです。私はこれだけで数多くの人を本気にさせてきました。複雑で多くの情報を伝えても、相手を混乱させているだけ。このことに気づいてください。

 伝えるのはビジネスの性能ではなく、そのビジネスを使って得られるもの(夢)と、なぜこの話をあなたに伝えたか(一緒に組もう)ということだけです。

 ビジネスの性能(中身)について話すのは「一緒に組もう」と言って相手の心が開いて(聞く耳を持って)からでいいのです。

 こんな話があります。ある島で電気のこぎりを売ろうとしている営業マンが2人いました。1人は原住民のところに行き、木を切るデモンストレーションをして、「ほらすごいだろう」と言いました。最初はみんな面白そうに見ていたけれど、そのうちにばらばらと帰って行きました。

 しかし、もう1人の営業マンは違いました。島に入り、丸太を切ってログハウスをつくりました。そして島の人たちを呼び、飲めや歌えの大宴会をしました。

 すると誰かが、「こんな立派な家があったらいいね」と言い出しました。皆がその意見に賛同すると、営業マンはこう言ったそうです。

 「ああ、この家はね、この電気のこぎりがあったからつくれたんだよ。ほら」

 村の人を呼んで、ただ木を切るところだけを見せても、彼らには電気のこぎりのよさがわかりません。「木を切る」ことと「家ができる」ということが、結びつかないからです。ここを結びつけてあげなければなりません。

 もう1人の営業マンは、まず夢(ログハウス)を体験させて、電気のこぎりと結びつけたのです。

 枠にとらわれた人は、MLMで収入と時間が得られると聞いても、収入と時間で何が得られるかというところまではピンときません。だから、「私はいいです」となってしまいます。それが本当にわかったら全員、MLMを始めるでしょう。MLMが夢と結びついたとき初めて、ワクワクして、やる理由が出てくるんです。